2017年11月

 

今週のお勧め 1月17日(水)

  • シクラメンの入荷が始まっておよそ3週間ほどになります。しかし、まだスタンダードの品種ばかりで、きちんとした品種名のある、ちょっと変わったシクラメンは市場に出てきません。そうしたなかでも今お勧めのシクラメンがいくつかあります。
  • クラシカルドレス
    ちょっと”冬桜”に似ていますが、もっとシックでエレガントな花です。
  • フリンジ咲各種
  • 底面給水鉢
    シクラメンの5寸鉢はほとんどが鉢の底に水をためて給水する、文字通りの底面給水鉢です。給水用のトレイを外していただくと分かるように、シクラメンの鉢底から平たい布紐がぶらさがっています。つまり、毛細管現象を利用して鉢土に水を供給しているのです。
    これは大変楽なシステムなのですが、3点ほど気をつけていただきたいことがあります。
    例えば、シクラメンをうす暗い暗い玄関先など日の当たらない場所にずっと置いておくとします。シクラメンも植物ですから光合成をします。日光の弱い場所では当然光合成の活動が弱まります。中学校の理科の時間に勉強したことを思い出してください。光合成に必要なのは二酸化炭素と水でした。光合成が弱まると水の必要量は少なくなります。
    うす暗い場所ではシクラメンも水をあまり必要としないのです。ところが、そうした場所で常に鉢底から水が供給されるとしたらシクラメン鉢の中の土の中はどうなってしまうでしょうか。そうです。水浸し状態です。
    実は多くの植物が根から酸素を吸って呼吸しています。土の中の小さなすき間に入っている空気から酸素を吸っているのです。ところが土が水浸しなってしまうと、空気すなわち酸素がなくなってしまいます。植物が土の中でおぼれ死んでしまうのです。窒息死です。この状態が、いわゆる根腐れです。
    根腐れすると下葉が黄色くなって枯れ始めます。最終的にはシクラメンの場合、根茎(茎が球根状態になったもの)が腐ってしまいます。
    底面給水鉢であっても土の状態をよく観察してください。いつも湿っているようでしたら少し乾かしてから給水するのが良いでしょう。
    底面給水鉢のシクラメンは直射日光に弱いです。(理由は後述します)ですからレースのカーテン越しに日が当たる程度がよいと通常言われます。置いてある場所によって鉢土の乾き方は大変違います。場所次第で給水の程度が違うということをご理解ください。
  • 底面給水鉢2
    シクラメンが底面給水鉢である理由は、根茎に直接水をかけないほうがいいからだと通常言われています。確かにその通りだと思いますが、それだけではありません。園芸種のシクラメンの根茎は、高温期の水やりで腐ることがあります。しかし原種シクラメンに比べると水に相当強いです。
    主な理由は別にあります。シクラメンの育成は雨水のかからない温室の中で行われます。シクラメンの成長期は春から夏です。この間よく水を吸うシクラメンに、生産者が給水する作業はとても大変です。
    そこで考え出されたのが底面給水です。簡略に説明しますと、水をためた上に、底面給水鉢に植えたシクラメンの苗をつるしておくのです。すると自然に必要量だけ水を吸ってくれるので水やりの手間が省けるのです。
    ここで疑問がわきます。根腐れが起きないのだろうか?根腐れしない理由が二つあります。成長期で葉が茂り始めますので水をたくさん必要とします。土にも秘密があります。水はけのよい軽い土を使っています。そのため通気性もよいのです。
    底面給水のシクラメンが直射日光に弱いのは、この鉢土のせいでもあります。水はけがよい土なのですぐに乾いてしまい、シクラメンがしおれてしまうからです。
  • 底面給水鉢3
    底面給水鉢で気を付けてほしいことの2つ目です。1月に1回程度(2~3回でもいいです)は鉢土の上から水をやってください。その際、鉢底から水がこぼれるようにしてください。
    先ほどお話ししたように土の中には小さなすき間があって空気がたまっています。ところが、次第にこのすき間に老廃物がたまっていきます。それを洗い流して空気を送ってやるのが、水やりです。底面給水では、この作用がありません。ですから、たまに鉢上からの水やりも必要なのです。
  • 底面給水鉢4
    気を付けてほしいことの4つ目です。ずっと花が咲き続けるようにするためには液肥を与える必要があります。その際、底面給水鉢では鉢底に薄めた液肥をあげて与えることになります。その液肥は通常よりも薄めにしてください。
    液肥の効果は即効性です。ですから強すぎる液肥は植物にとって有害です。底面給水鉢の場合、その液肥が流れずにたまっているわけですから、肥料負けをしやすくなります。そこで底面給水の液肥は薄めにしたほうがいいのです。
    たまらないように上からかけるだけでもいいではないかとお考えのかたもいらっしゃると思います。しかし、底面給水鉢の土は軽くて水はけがいいの、液肥の効果が薄いのです。
    底面給水鉢は便利だけれど、通常の鉢と違う特徴があります。それをご理解ください。