2016年1月

バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡(あるいは音楽がもたらす映像の美について)

  • いろんな人がいろんな観点から語っている映画ですから何もわたしなぞが語る必要もないのですが、去年観た映画のなかで最も印象的な一つのシーンがあって、そのワンシーンについても様々な解釈が語られているのですが、わたしが語りたいのはそのバックに流れた音楽についてです。
  • 多くの皆さんがご指摘のとおり全編を流れるアントニオ・サンチェスのドラムソロがとてもいいのは元ジャズファンとしてうれしいところです。でも、マイルスが「死刑台のエレベーター」のラフを観ながら演奏した、あのインプロビゼーション(即興)の衝撃にはなかなかかないません。そして浅田彰さんが「ところどころに流れるクラッシック音楽の引用がまたうまい」と書いている(浅田さんはラヴェルについて書いています)のですが、本当にその通りだと思います。
  • わたしはマーラーとラフマニノフが大好きですのでグッときてしまいました。特にラストシーン。病室で目覚めた主人公リーガンが窓の外を観ると鳥が飛んでいて、その空の映像から主人公へカメラはズームしていきリーガンはガラス戸を開いて窓枠に手を掛けます。このシーンで流れるのがラフマニノフ交響曲第2番ホ短調作品27第2楽章の一部です。
  • この第2楽章はグレゴリオ聖歌の”怒りの日”をモチーフにしたアレグロ・モルト、リズミカルな主題が印象的な曲です。ところが引用されたのは、この楽章にはさまれているテンポを落としたモデラートの抒情的な弦の旋律です。思わずマーラーかなと思わせるような美しい旋律です。ここをわざわざ持ってくるかというような、うならせてくれる引用です。
  • 実は”怒りの日”というのはキリスト教の審判の日のことで、グレゴリオ聖歌のこのモチーフは多くの作曲家が死の象徴として用いるものだそうです。うがった見方をすると、バードマンのラストシーンは死による安息を表現したかった、その表現としてラフマニノフ交響曲第2番ホ短調第2楽章を使った、のかもしれません。
  • でもそんなことはどうでもよくて、全編エキセントリックで怒りと焦燥に満ち満ちた物語の本当に最後のほんのわずかな部分が実に美しく、その映像と音楽がどうしても忘れられません。苦痛からの解放が実に甘美で切ないと思わせてくれる、素晴らしい映像です。
  • このラストシーンが実に名作だったと、わたしは思います。

ヘリオトロープ

  • おとぎや温室のなかで満開の花を咲かせています。お値段もお手頃価格です。
  • ムラサキ科 別名:コウスイボク 原産地:ペルー 草丈:30cm-60cm 開花期:4月~9月
  • 原産地ペルーですから寒さに弱いです。5℃まで耐えるとのことですが、もう少し弱いように思います。本来の開花期は4月からですが、温室で育てたものでしょう。この時期に市場に出ました。もちろん屋内で楽しんでください。
  • 花にはバニラに似た甘い芳香があり、香水の原料になります。日本には香水のほうが先に輸入されて、漱石の「三四郎」に香水名として登場しているとのことです。そこで別名がコウスイボクです。
  • 普通は冬に枯れてしまう1年草ですが、家の中で冬越しさせると枝が木質化して、木のようになり60㎝にも成長するそうです。
  • 春から秋まで開花してくれるお得な花です。花が終わったら枝の半分くらいまで切ってやるとまた新しい花芽がでてきます。
  • 日当たりのよい場所で育てると花付きもよく色も濃くなります。ただし夏の直射日光には弱いので風通しのよい明るい日陰で育ててください。
  • 乾燥に弱く水を好みます。ただし冬の間は成長期でありませんので、控えめにしてください。

カルーナ・ブルガリス 1月9日(土)

  • 一昨日、お客様からご質問を受けましたが十分にお答えできませんでした。それは「カルーナの葉が色づかないのはなぜか?」というものです。
  • わたしは「不勉強で分かりかねますが、紅葉しないのは十分な寒さに当たっていないからではないでしょうか」とお答えしたのですが、正確さを欠いていました。そこで調べて分かったことを掲示します。
  • 植物の葉の一番大切な役割は光合成です。小学生や中学生の頃、葉の一部にアルミホイルを巻いて、光合成が行われないことを確かめる実験をした経験がどなたにもあるのではないでしょうか。中学生になるとこの光合成を行うのは植物細胞のなかにある葉緑素であり、緑色をしたクロロフィルだと習ったと思います。ですから葉は基本的に緑色なのです。
  • 実は葉にはカロチノイドという黄色の色素も含まれています。ところが、葉緑体が活発に活動し光合成を行っている夏のあいだは、葉緑素がたくさんあるので黄色の色素であるカロチノイドが見えなくなっているのだそうです。
  • 秋も深まり太陽の光が弱くなると葉の光合成の活動も弱まり、葉緑素クロロフィルの分解が進み再生産が行われなくなります。その結果、葉に含まれるカロチノイドが目立ち出して、葉が黄色く見えるようになります。
  • では、葉が紅くなるのはなぜでしょう。
  • 葉で光合成が行われなくなると植物にとって葉は必要でなくなります。また、葉が植物のエネルギーを奪い、葉が行う蒸散によって大切な水分が失われます。そこで葉の付け根に離層というコルク層ができて、葉と茎(枝)の間で行われていた物質の移動がさえぎられます。やがて葉は離層のところから折れて落葉することになります。枯れた葉が折れやすいのは、そのためなんですね。
  • さて、物質の行き来が止まると、葉の光合成で作られた糖分は葉のなかに留まります。その糖分が分解してできるのが、赤い色素アントシアニンです。
  • 紅葉は、植物が落葉の準備をし始めた段階でもまだ進んでいる光合成が生み出したものなのです。そのため、秋になって葉が十分日光に当たらないと光合成は進みませんから葉もきれいな赤い色になりません。
  • つまりカルーナが色づかないのは十分な寒さに当たっていないだけでなく日当たりのよいところで十分な日照を得ることができなかったからではないかと思われます。
  • 1日の最低気温が8℃以下になると紅葉が始り、5~6℃以下になるとぐっと進むそうです。美しく紅葉するには、日中の気温が20~25℃で夜間が5~10℃というように、昼と夜の気温の差が大きいことが、まず第一に重要です。富士宮市の紅葉が寒い地方のように美しくないのは、気候が温暖だからだと思われます。
  • また、葉が充分日光を受けて光合成が進み葉のなかに糖分を蓄えることも大切です。ところが、今年の11月は雨や曇りの日が大変多く、十分な日照がなかったと思われます。そこで紅葉が美しく鮮やかではなかったのではないかと推測できます。
  • 十分な説明になっているか自信がありませんが、お客様から再度のご質問を受けたときにお答えできるよう勉強してみました。さて、カルーナは紅葉しても葉を落としません。なぜなのか、実は知りません。これもまた勉強してみます。

土壌について

  • お客様が「この土とそちらの土の違いは何?」とお尋ねになることがあります。わたし自身は、おとぎや特製培養土でほとんどの苗を育てていて、山野草だけは鹿沼土や赤玉土と腐葉土をブレンドするくらいで土の特性についてあまり詳しく経験してきませんでした。今、土壌と肥料、土壌微生物について勉強していて、大変役立つ本に巡り合いました。
  • 『基本からわかる土と肥料の作り方・使い方』後藤逸男(家の光協会)です。筆者の後藤先生は東京農業大学の教授ですが、この本はわたしのような初心者にもよくわかるように書かれた、とても読みやすい本です。
  • 家の光協会ホームページによると後藤先生は、「東京農業大学 応用生物学部 生物応用化学科教授(農学博士)。専門分野は土壌学、肥料学。農業生産現場に密着した実践的土壌学をめざし、現在は野菜・花き生産地の土壌診断と施肥改善対策などについて研究している。著書に『根こぶ病 土壌病害から見直す土づくり』(農文協、2006年、共著)。農家のための土と肥料の研究会「全国土の会」会長。」だそうです。
  • 子供の頃、農家だったわたしの家には農協から『家の光』という雑誌が毎月届けられていました。その農家用雑誌の付録として「子ども家の光」がついてきて楽しみだったことを思い出しました。家の光協会では専業農家のための出版物だけでなく、こうした家庭菜園を営む人向けの出版もしているのだと知りました。政府にいじめられている農協ですが、いいこともしているのです。
  • この本の第4章の2「主な用土の種類と特性」から引用します。
  • 上記の表をご覧になってお分かりのとおり大変分かりやすく書かれた本なので、本当にお勧めです。
  • さて、おとぎやでは次のような基本用土と改良用土を販売しています。ホームセンターに比べて種類が充実しているのではないかと思っていますし、ホームセンターにはない用土もございます。主に第二売り場に置いてありますので、お立ち寄りいただいて色々な用土の違いをお確かめください。
  • 赤玉土 処理の仕方による5種類があります
  • 赤玉2本線 最も人気の高い赤玉土です 「大粒、中粒、小粒」3種あります
  • 天然乾燥させた上質赤玉土です 固いので簡単には水で溶けません 「大粒、中粒、小粒、細目」4種
  • 焼赤玉(信楽蘭土) 最高級品
  • 焼赤玉土 これも高級品です
  • 黒土 富士山ろくに最も多い黒ボクです
  • 日向土 粒の大きさ「大粒、中粒、小粒、細粒」4種に分かれています
  • パッケージの説明を拡大しました。
  • 富士砂 粒の大きさ「細目、中目、粗目」3種に分かれています 愛好されているお客様によると砂の粗さを細かく販売しているのはこの近辺では当店だけだそうです
  • 鹿沼土上質 「大粒、中粒、小粒、細粒」4種
  • 桐生砂 火力乾燥 完全殺菌 「大粒、中粒、小粒」3種
  • 蝦夷砂 「大粒、中粒、小粒」3種
  • 焼軽石砂
  • もみ殻くん炭 もみ殻のため炭が細粒です
  • 他にも花専用培養土各種あります